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2024-04

到来 - 2014.04.28 Mon

くちびるが触れた

音もなく
風が掠めるかのように

太陽が高くのぼるころ
蝉の声しか聞こえない真夏日

ふたり、ベンチに座って
ぼくは、ソーダ味のアイスをかじった

学校を抜け出した正午
自転車で走り抜けた川辺

街の喧騒は遠く
むせかえるような緑に目が眩む

まるで時が止まったかのような
このまま永遠に夏が終わらないかのような
そんな気がした

隣に君がいて
静かに静かにぼくの名を呼ぶ

何度も、呟くように

いっそ溶け出してしまえばいいと思った
この身体もろとも、
くすぶる想いが夏に溶け出してしまえばいいと

ぽたりと
溶け出したアイスが地面の色を変える

まるでぼくの心に落ちた
名のつけられない感情のようだと
まどろむ意識のなかで、そう思った


(唇へのぬくもりは 夢か、現か)
(暑い、と隣から君の声が聞こえた)





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初夏、昼下がり、まどろみの中で - 2013.07.08 Mon

風が吹き抜けた

あれから何度目の夏を迎えただろう

いつまでたっても空は青いままで
いつまでたっても私は弱いまま

暑い暑い夏が過ぎる度に
変わったことといったら
簡単には泣けなくなったこと

たくさんの責任を負うごとに
たくさんの友人を捨ててきた

ひとりぼっちの日々は長く
なんと穏やかで淋しいことだろう

誰の声も聞こえない
聞こえるのはただ風の音

青い空は私に迫り
落ちてしまえと語りかける

ああ、なんて深い。
深い、深い、青だろう


(このまま落ちてしまおうか)
(全ての思考を放棄して、全ての夢を捨てて)


揺れる - 2011.10.31 Mon

苦しみを口にするたびに
鮮やかな色が僕のまわりから消えていった

白い煙と一緒にため息を吐くと
ほんの少し、視界がゆがんで見えた

単調な毎日の中に
少しずつ寂しさがにじんで

どうしようもない思いとなって
僕の心をざわめかせる

ひんやりとした季節の変わり目に
空がやさしく色を変えて

僕のいやしささえも包み込んでくれるよう

ゆるやかな秋色の中
遠くから犬の鳴き声が聞こえる

静かに煙を吸い込み
僕はまた、歩きだす

落ちた影がゆれる
僕の心がゆれる


風に吹かれるまま、

ひとり 。


(暮れ行く秋の日)
(ふと、君の顔が脳裏をかすめた)





遠き日の貴方へ - 2011.08.22 Mon

風の吹く夜は初夏
雨が降っていた

僕は流れ落ちる雨音を背景に
昔々の詩人に語りかける

そちらの具合はどうですか?
風は吹いていますか?
雨音はやはり
静かに夜を振わせていますか?

外は闇
飛び出せばきっと
貴方のもとへと続いている

それでも僕は
明るい家の中でカタカタと
電子機器にただ文字を打ち込み

昔々へと続く夜道を思いながら
ここを動く気はないのだ

季節は初夏
風がカアテンを揺らし

雨はまだ、降り続いている



-------
尊敬する詩人へ向けて
2010.夏の始めに


混ざり行く - 2011.07.31 Sun

夏がきらいだった

暑い暑い日差しと
道路の先で揺れる陽炎

街路樹にしがみついた蝉が
うるさいほどにわめき続け

突き抜けるような色をした空は
ぽっかりと口を開け
僕が落ちてくるのを待っているかのようだ

夏がきらいだった

楽しそうに笑う君の姿も
目を細めて空を仰ぐ仕草も

僕の心を乱す
煩わしい存在でしかなく

目をそむけた先に見えた
空高く飛んで行く白球が
僕の目にはひどく眩しく映った

生温い風が吹き抜け
認めてしまえと僕を追いたてる

ふと 君の声が耳を掠めた気がした

むせかえるような夏の日
ざわざわと胸が騒ぐ

遠ざかる意識の中
目の前が やけに、

青い 。


(この胸の内でくすぶる思いは)
(きっと、夏の太陽が僕を焦がすせいだと)





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8/03 
少しだけ、書き加え。
後半部が苦しいな…

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